前回の投稿では第4戦ITALIA EMILIA ROMAGNA GRAND PRIXの始まる前日までの様子を書きました、今はミラノの友人家族の家に滞在させてもらい、少しのんびりしています。
レースの週末は、
金曜 – フリー走行1・予選(タイムアタック)
土曜 – フリー走行2・スプリントレース
日曜 – 本番レース
というスケジュール、金曜はドライバーがパドックに入ってくる所を撮るために朝7時に宿をでてサーキットへ向かいます。
イモラの人口70,000人なのに対し78,000人が来るグランプリ、渋滞は予想していましたが、半端じゃありませんでした。
そしてどこを見ても真っ赤っかでフェラーリのファンで埋め尽くされており朝から熱気に溢れていて僕のテンションもぶち上がりです。
金曜 -フリー走行1・予選(タイムアタック)-
メディアセンターに入り機材の準備をしてパドックに出て、またドライバー達が入ってくるゲートに向かうとフォトグラファーたちが例によってドライバーを待っていました。
ここで、80年代からずっとスポーツを撮っていて東京オリンピックにも撮影に行ったというイギリス人のフォトグラファーと一時間くらい話し込みました。
「おっさんさ、そんなに色々スポーツ撮ってきて、一番撮るのが難しいスポーツって何?やっぱF1?」と聞くと、「違うんだよ、一番難しいのはフットボール(サッカー)だな」と言うので理由と聞くと、
「80年代のサッカーは最高だったんだよ、テレビカメラも少ないから見えないところで選手が小競り合いしたり、なんたってタックルとか体と体のぶつかり合いの迫力が全然違ったんだから。今なんてパスサッカーとか言ってよ、クソつまんねーべ?熱い瞬間ってのがサッカーから無くなっちゃったから、良い瞬間撮るのが難しいのさ。技術的に難しいのはダントツでF1だな。」
とのことで、他にも色々面白い話が聞けました。
さらに、
「昔はF2が最高だったんだよ、どのドライバーも死ぬ物狂いでF1に上がりたいから、クラッシュしたりしたらドライバーが車から飛び出して殴り合い始めたりよ、すげー面白かったんだから。」
と今ではちょっと信じられません。
そうこうしていると次々とチームのボスとドライバー達がやってきます。
フェラーリのエースドライバー、シャルル・ルクレールと彼女、スーパースター感が半端じゃありません
マクラーレンのドライバーで恐らく将来は世界チャンピオンになるであろう、イギリス人、ランド・ノリス、まだ22歳
マイケル・シューマッハーの息子、ミック・シューマッハ、ハースF1チームのドライバー
レッドブル代表、クリスチャン・ホーナー(左)、チームを引き連れて現れます、奥さんはスパイス・ガールズ。
メルセデス代表トト・ウルフ、オックスフォード大学で特別講師もしています、学生が羨ましすぎる
ウィリアムズのブリティッシュ・タイ人ドライバー、アレックス・アルボン、身長186cmの長身ドライバー、生で見るとめちゃくちゃ男前でした
今年からメルセデス、ルイス・ハミルトンの相棒のジョージ・ラッセル
そしてルイス・ハミルトンと彼のパーソナル・トレイナー、カレン・アンジェラのコンビ、この後アンジェラがインスタグラムのアカウントをフォローしてくれて、それだけでもう最高の1日になりました(笑)
ここでまたルイスを撮り終えると一度メディアセンターに撤収し、サーキットに出てフリー走行の撮影に行きます。
普通はバンがサーキットの周りをぐるぐる周っていて、手を上げて止めると行きたい撮影場所まで連れて行ってくれるのですが、「今回なまら人多いから多分迎えに行けねぇわ」との事。
仕方なく歩いて移動できる数コーナーに絞って撮影することにしました。
フリー走行とタイムアタックの写真を一気に。
アストン・マーチンのセバスチャン・ベッテル
ルイスがコースをはみ出してしまうと「あああああーーーーーー!」と観衆から悲鳴が出ます
僕の大好きなピエール・ガスリー、信じられないくらい男前でナイスガイです
レッドブル、昨年王者マックス・フェルスタッペンの相棒、メキシコ人ドライバーのセルジオ・ペレス
ここのコーナーで一通り撮ったあと、また違う感じの写真を撮りに次のコーナーへダッシュ、「流し撮り」とは英語では「Panning」、というわけでそれが出来そうなコーナーへ。
フェラーリ、シャルル・ルクレール
メルセデス、ジョージ・ラッセル
我らがアルファタウリ、角田君
まだまだありますがこの辺にしておき、金曜日の動きは予選終了をもって終わりで、この早かった順番で土曜、スプリントレースが行われます。
ランチが12-14時、ディナーが19-21時と、メディアが無料でご飯を食べるところが提供され、普通にレストランのようになっており、食事もかなり美味しいイタリアンが無料食べ放題で提供されます。
中はこんな感じ(全然わかりませんね)、友達になったイタリア人ジャーナリストに邪魔されました
食事は毎食2種類のパスタとおかずも二種類、サラダとデザート数種類、飲み物も色々でした。
食べ物の写真は一切撮ってませんが、この水のパッケージ、めちゃカッコ良くないですか?
サーキットがプリントされイタリアカラー、環境に優しい紙パックです。
食事の後はフォトグラファーもメディアもひたすら作業をし、大体10時頃にサーキットを離れますが宿に着くのは11時頃、残りの写真の編集をして出来るだけ早く寝ようと思いますがそれでも夜中1時頃になってしまいました。
土曜日 -フリー走行2・スプリントレース-
朝早くにサーキットへ向かうのは変わりませんが、最悪な事に朝から大雨でした。
ドライバーがパドックに入ってくるのを待つフォトグラファーも少なく、この日はどうせ傘をさしてくるだろう、と思い僕も待ちませんでした。
「レース」と名前の付くものには当然スタートとフィニッシュがあり、「スタート」の時は「グリッド・パス」と言いスタートラインの中に入ってすぐ近くで撮影できるパスが、「フィニッシュ」の時は「パーク・ファーメ・パス」と言い表彰台に登ってシャンパンファイトをするところを間近で撮影出来るパスがあります。
このパスは抽選で当たった人しかもらえず、今回は4回スタートとフィニッシュがあるので、4回の抽選が行われ、一度も当たらなかったフォトグラファーが文句を行っていたりするのですが、僕はなぜか4つとも全部当たりました。
これに当たったため、土曜日は主にサーキットではなく中でドライバーやチーム、車を撮ることになりました。
30分ちょっとのスプリントレースのスタート前を撮影するため、パドックを通ってピットレーンに向かいます。
今までとのごった返し方が違い驚きました。
一番高い、VIPチケットは100万円くらいなのですがその人たちもここに居るのでさらに大混雑
そしてピットレーンから
いよいよコース内へ、もうドキドキが止まりません
初めてなので何が起こるのか観察していると、それぞれのドライバーがサーキットを一周して、ここに戻って来るとチームスタッフがスタート位置へ車を持って行くことがわかりました。
轟音とともに次々に車が入ってきます。
去年の王者、レッドブルのマックス・フェルスタッペン
こんな感じで次々車が入ってきて、ドライバーもチームスタッフもスタート準備に追われている中、僕らフォトグラファーやテレビ局のスタッフも忙しく動き回ります。
車に何度も轢かれそうになりましたが、コイツらになら轢かれても良いや、という気持ちになります。
マクラーレンのランド・ノリス
メルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルのコンビ
レースの時間が近づくと車に乗り込み始めます。
フェラーリのシャルル・ルクレール
2回の世界王者、スペイン人で最年長の40歳のドライバー、フェルナンド・アロンソ、超人気です
オーストラリアのスーパースター、ダニエル・リカルド、僕の大好きなドライバーです
全ての車の準備が整うとブザーがなり一斉にみんなグリッドを離れ、車とドライバーだけが残されます
このスプリントレースにも、軽い表彰式がありますがシャンパンファイトなど本番は明日のレースになります。
30分のレースなので僕はピットレーンで終わるのを待ち、その後戻ってきた上位三位のドライバーを撮りに行きます。
結果はレッドブルのマックスが一位、同じくセルジオ・ペレスが三位、フェラーリのルクレールが二位。
チームメイトで称え合います
ヘルメットを脱いだ後は3人で結構楽しそうに話してました。
このレースの順番で次の日、日曜の本番のレースが始まります。
次回は日曜日、実際のグランプリの様子を写真と一緒に書こうと思います。
お付き合いありがとうございました
Jay