随分と久しぶりの投稿になります。
飽きたと言えばそれまでですが、コロナで始めたこのブログ、コロナが終わるに従いブログもどんどんペースダウンし前回の投稿から半年以上開いてしまいました。
そして久しぶりに開いたと思えばちょうど100回目の投稿でした。
ロンドンはもうほとんどマスクをしている人もおらず、コロナは終わったかのようです。
ところで、2021年10-11月にかけ、FUJIFILMでの個展に来ていただいた方々、本当にありがとうございました。
もっと早くブログでお礼を言わなければと思っていましたがレイジーになっていました笑
F1との出会い
さて、話は本題に戻り、F1です。
僕はF1が大嫌いでした(コロナまで)。
子供の頃に父親が車がぐるぐる回る訳のわからないテレビ見てるなぁ、と思ったり、「異常気象・地球温暖化と騒がれているのにエンジン全開、金持ちしかドライバーになれない」とはどんなイカれたスポーツだ、と。
コロナがイギリスを襲い最初のロックダウンになった時に本当に暇で、早い時間に夕食を済ませ、ベッドでドキュメンタリーでも見ようかと思いパソコンを開き「今まで大嫌いだったけどよく知らずに大嫌いだったものについて調べよう」と思いました。
これは余程暇じゃないとやる行動ではないと思いますが、とにかく調べました。
結果、最新のテクノロジーを搭載したエンジン排気量はプリウスの半分、実家が金持ちしか居ないというのも幻想で、両親が人生をかけて子供をドライバーにしたり、成功するまで実家の中にトイレすらないドライバーまでいたりと、ドライバーのサクセス・ストーリーもF1の最大の魅力の一つです。
そして自分よりも年上だとか、キャリアが長いとか、そういった事を一切気にせず男らしさを全開にする二十代の若者たちのドラマ、ドライバーとチームがレースの間にやりとりする熱すぎて涙無しには見られない舞台裏、こういったモノに完全にやられたのが現在です。
そして僕がF1にハマったきっかけはなんとNetflixなんです。
海外では「Drive to Survive(生き残るためにドライブする)」という非常に格好いいタイトルが、日本版では「栄光のグランプリ」と訳されてちょっと格好悪いですが、このシリーズ、半端じゃなく面白いので暇な時にぜひ見てみてください。
2018年から2021年のNetflixの最も人気があったシリーズはこのF1シリーズで、このお陰で世界のF1人気が盛り上がりチケットの売り上げは1.5倍、スポーツ自体の視聴者もスーパーボールを超え世界で1億2000万人が見ています。
僕は小さい頃からスポーツが大好きで色々やりましたし、見ましたが、F1の歴史とスケールを知ってからは正直他のスポーツに対する魅力が激減してしまいました。
夢を叶えるということ
大袈裟に「夢を叶える」と言いましたが、別にそんなに叶っているわけではなく、ほんの少し指が引っかかったくらいなのですが、F1を撮る、という夢は叶いました。
僕のプレゼンにより他にハマった友人達と、「人生がもう一度あるならなんとかF1の世界に入れる事やりたいなぁ」と話していた時「F1の写真撮れば良いじゃん」と言われ「その手があったか!!」と三十代後半にしてF1フォトグラファーになりたいという高校生のような目標を持つことになりました。
調べれば調べるほど「15-20年は平気でかかる世界だ」という事がわかり絶望しましたが、自分の力だけではどうにもならない、ちょっと運やその他プラスαが関係してくる物事を含めたものを達成しようとする時、半分は気持ち次第だと考えています。
僕はミュージシャンでもありますが、僕の隣にどう考えても僕より上手くなく、音楽的知識が少なくても成功しているミュージシャンがいたとしたら、「僕よりも彼の方が音楽に本気だった、愛していた」というだけの話だと僕は数年前から理解出来る様になりました。
大抵の物事がそうで、成功している人は心や態度、生活が他の者より本気だっただけなんですよね。
だから僕は何かを達成出来なかった時は「ああ、本気だと思ってたけど心が追いついてなかったんだな」、と納得出来ますし、人のせいにしがちですが、自分が目標を達成出来ないのは100%自分のせいだと思っています。
特にアーティストの世界はそうかもしれませんが、引き寄せの法則がめちゃくちゃに働きます。
僕も今回出版社に電話をかけまくったりなどしましたが、今現在日本で僕よりも本気でF1を撮りたい人間が居なかったから僕に順番が回ってきただけだと思っていて、この順番を次の人に回さなくても良いように椅子取りゲームに負けないようにしたいと思っています。
初のF1撮影
さてここからようやくF1撮影の様子を少々。
今回はスペイン・バルセロナにて2022年度の新しいF1の車のテストの三日間でした。
サーキットはバルセロナ空港から車で30分ほど、空港で車をレンタルしてバルセロナ市内にてお気に入りのコーヒーショップにより、サーキットへ向かいます。
サーキットへの撮影に行くメディアやチームは誰もが大抵車を空港でレンタルします。
初日はメディアパスをもらいにサーキットへ行っただけですが、パスを手にした時はめちゃくちゃテンションが上がりました笑
そしていよいよ初日、Circuit de Catalunyaと言われているサーキットへ朝7時に向かいます。
あいにくこの写真は三日目の最後なので夕方ですが、ここがグランプリがスタートするところと、メインスタンド
左に見えるのがメインスタンド、右の建物の中には僕たちメディアがいるメディア・センター、記者会見場、VIPルームなどが入っておりその裏には関係者がこの数日活動するパドックが広がっています。
メディアセンターにはジャーナリストが200人、カメラマンが100人ほどいましたが、メディアは若い人も見かけたものの、カメラマンでは恐らく僕が最年少の方でした。
一人一台テーブルが与えられ初のF1撮影で右も左もわからないので、とにかく話しかけて知り合いを作り色々教えてもらいましたが、初めての事というのは幾つになっても楽しいものですね。
朝ゲートでメディア・パスをピッとやりゲートを潜ります。
そこに広がるのはパドック。
これは全て、今回の三日間のために建てられます。
巨大なトラックが何十台も並んでいて圧巻の風景でした。
左はレッドブルチームの、右の赤いのはフェラーリのチームの物で、「ポスピタリティー・スイート」と言い、ドライバーやチームスタッフもここでご飯を食べたり、休憩したりするのですが、遊びに来ている有名人やドライバーの家族や彼女などもここをフラフラしており、サッカーチームFC Barcelonaの選手が遊びに来ていたりしました。
実際のグランプリではハリウッドスター、ベッカムなどの有名セレブリティー、大統領なども特別扱いはされず、ここで皆んなと一緒に過ごします。
FC BarcelonaのMemphis DecayとAlphatauriのドライバー、Pierre Gasly。
こちらは僕の大好きなマクラーレンのホスピタリティー・スイート、ダニエル・リカルドの『3』と、ランド・ノリスの『4』
このパドックの建物の写真を撮っているのは僕のような新米フォトグラファーだけで、重鎮達は何も珍しいものはない、という感じでしたが、僕はまだ朝8時前だというのに興奮の真っ只中でした。
メディアセンターに荷物を置き(F1撮影は凄い機材の量です)、パソコンなどのセットをしたら必要なものだけを持ち、ドライバーやチームが働くピットレーンに出てみました。
ここでマシーンの準備をし、乗り込んだドライバーがサーキットに出ていくわけです。
随分長くなったので、次回は実際の撮影の様子を写真と一緒に書いていこうと思います。
お付き合いありがとうございました。
Jay