前回の投稿では初日にパドックに入るところまでを書きました。
今回はその他の様子も書いていこうかと思います。
朝メディアセンターに入ると、フォトグラファーらしき人達が列を作っているので、なぜかはわかりませんが取り敢えず並んでみました。
5分ほど並んで前後に並んでた人達に「なんで並んでんの?」と聞くと「俺たちもわからん」との事で早速仲良くなり、情報を手に入れます。
列の正体はPHOTOGRAPHERというベストの支給とサインイン、ピットレーン撮影の予約でした。
ピットレーンはコロナのせいで人数制限が厳しく、三日間をAMとPMに分け、初日の抽選で当たった人だけ入れるようになっており、三日間で一度も当たらなくて抗議している人もいましたが、僕は奇跡的に三日とも全て当たったので毎日ピットレーンの雰囲気を楽しむことができました。
撮影開始
パドック撮影
パドックは人が行き交うところで特に何かが起こっている訳ではありません。
インタビューや取材が行われている程度ですが、リラックスしたスタッフの顔を見られる唯一の場所かもしれません。
マクラーレンのランド・ノリス、F1ファンの若い女の子達からの一番人気、21歳イギリス人
ダニエル・リカルド、同じくマクラーレンのオーストラリア人ドライバー、Netflixでは彼が最初フォーカスされています。
レッドブルのホスピタリティー・スイートではやはりレッドブルが飲み放題でした。
全くダメだったサーキット撮影前半
初のピットレーン潜入の予約は午後で、午前中はサーキットに出ました。
ここで当然の問題ですが、初めてサーキットに来た僕はどこから良い写真が撮れるのか全くわかりません(笑)
一周5kmのサーキットを駆け回って写真を撮るものだと思っていたら、8人乗りのバンがサーキットの外側と内側を延々と回っており、どこで乗っても降りても良く、実際はとても快適でした。
バンに乗るとドライバーに「どこまで?」と聞かれますが僕はどう答えて良いかわからないので「とりあえず出してくれ」とお願いします。
そして途中で乗ってきた凄腕フォトグラファーらしき人や、知っている有名なフォトグラファーを見つけると後を追いました。
そして記念すべきF1撮影一枚目がこちら
「あれ・・・・?」
この後もなかなか上手くいかず、車がボケてるのにフレームに入ったら「おお!?」となる始末で、冷や汗が噴き出たのは言うまでもありません。
そう、F1の車は速過ぎました(笑)
午前中に撮った1000枚の中に使える写真が一枚も無いという始末で、絶望しつつメディアセンターに帰り、一度気持ちをリセットしてピットレーンを撮ることにしました。
ピットレーン
午後1時から5時まで、後半のセッションがスタートします。
ドライバーを変えた各チームが準備を始めるのですが、エンジニア達も凄く格好いいんですよね。
レッドブルチーム
ピットレーンは、近い方から遠い方まで10チーム分で、去年の成績が良かったチームからピットレーンが近くなります。
なので、去年二位のレッドブルは入り口から二番目。
三番目は去年三位のフェラーリ、記者も群がります。
カルロス・サインツ(スペイン人ドライバー)
その隣は去年4位のマクラーレン、先程のダニエル・リカルドがテスト走行をします。
フェラーリがピットから出て行くところ
上から見るメルセデス、ルイスハミルトン、これはメディアセンターの窓から撮りました
一時間ほどピットレーンで過ごし、もう一度サーキットに向かいます。
サーキット再び
午前中は絶望でしたが、午後が始まってすぐ、なぜか突然コツがわかり、急に撮れるようになりました。
ルイス・ハミルトン、メインストレート
ランド・ノリス
ランド・ノリス もう一枚
これで最後、ランド・ノリス
去年のチャンピオン、マックス・フェルスタッペン(オランダ人)がピットレーンを出るところ
どうしても自分のお気に入りのドライバーばかり撮ってしまいたくなる気持ちを抑え、満遍なく10チームの車を撮ろうと頭では考えていても目が行ってしまいます。
この日はコーヒー一杯すら口にせず、水を少し飲んだだけで食欲も出ないほどの忙しさで物凄く疲れましたが、Day2、Day3はもっと出来るはず、と思えた楽しい一日でしたし、やはりF1を関係者として見れたのは感動するものがありました。
僕らフォトグラファーやジャーナリストを除いてですがドライバー以外でもパドックにいる人間たちが皆んな本当に格好良かったです。
ウクライナ戦争とF1
昼、一時間セッションに休憩がありメディアセンターにいると「戦争だ」「ロシアが始めたぞ」と皆んなが騒ぎ始めました。
すぐに始まったドライバーの記者会見で、セバスチャン・ベッテルというドイツ人の世界チャンピオンに4回なっているドライバーが、ロシアグランプリについて質問されました。
セバスチャンは「ん?俺はロシアグランプリ行かないよ。」という答え。
F1ドライバーの中で唯一SNSをやっておらず、ユーモアがあり大人気のドライバーで、デビュー時は日本での女性人気が凄かったそうです。
アメリカのチームでHAAS(ハース)というチームがあるのですが、ロシア人ドライバー(F1は各チームにドライバーが二人いる)、ニキータ・マゼピンは記者会見に現れませんでした。
マゼピンは今年でF1参戦2年目、ロシア最大の製薬会社オーナーの息子で、金でドライバーのシートを買ったと、かなり去年叩かれ続けた選手です。
プーチンが戦争を仕掛ける前に30数人のロシアのビジネスマン達とミーティングをしたそうですが、その中にマゼピンの父親が居たという噂も流れました。
結局マゼピンには労働ビザが降りないことになり、その日のうちに各チームリーダーがミーティングの後、全会一致でロシアグランプリは中止になりました。
すぐにDAY2にはHAAS のロシアカラーは取られて白と黒のシンプルな車体に変わったりと徹底していました。
午後6時にテスト走行が終わり車の片付けをしているのを眺めていると、仲良くなったジャーナリストが片付けの手順やマシーンについて隣で解説をしてくれて贅沢な片付け時間になったりと、差別が酷いと聞いていましたが今のところ全くそういった体験はなく、嬉しい出会いの方がいくつかありました。
夜メディアセンターは8時までオープンしていますがメディアが一斉に車で帰ると渋滞が怖いので僕は7時過ぎにはサーキットを離れるようにしていました。
サーキットの入り口では大勢のファンがドライバーの出待ちをしていて、国境を跨いで来ていたりなど熱量に相変わらず驚かされます。
この日は夜中3時まで編集をし3時間睡眠の後、テスト二日目に向かうのですが、この調子で眠れぬ四日間が続きました。
次の投稿でDAY2、DAY3はまとめて書こうと思います。
お付き合いありがとうございました。
Jay