F1 バルセロナテスト Day2 & 3 – 世界最高のドライバー達・グランプリへ –

  • 2022/03/13
  • F1

前回の投稿ではDay1の様子、同じ日にウクライナ戦争が起きF1にもすぐに影響が出た事を書きました。

今回はDay2,Day3の様子を少しだけドライバーの話と一緒に書いていこうと思います。 

DAY2 & DAY3

連日、朝7時にパドックに入ります、高校生の頃なら朝が早いという理由で断っていた気がします。

F1 Paddock

このパドック、ゲートを入って右側が以前書いたホスピタリティー・スイート、左が『モーターハウス』と呼ばれる移動式のチームの家です。

パドックは10チーム分が並んでおり、前年の王者から最下位まで順番に並んでいます。

最下位のチームは全てのチームに見られながら最奥まで歩くことになるこの道を『WALK OF SHAME(屈辱の道)』と呼ぶそうです。

 

朝メディアセンターの机について気付いたのは、ほぼ四日間の徹夜で体力は限界だという事でした。

「これは俺がダメなのか?」と思い隣のジャーナリストに「ところでさ、これって皆んな寝てんの?」と聞くと「そんなわけねーじゃん」との返事。

やはりそうか、と思い少し安心しつつ写真を撮りに行きます。

 

前回車の写真に手こずったと書きましたが、一番の問題は『タイヤ』で、車体、特にヘルメットにバッチリピントを合わせ、タイヤを動いているようにするんですが、タイヤが動いてないこんな写真は、サーキットにいても駐車場に止まっているように見え迫力がありません

ちょっとシャッターを遅らせてみますが、まだ甘い

完璧

これで全てが決まるわけではありませんが、迫力を出す方法の一つと背景が綺麗に流れる速さの指標で、F1の写真は「その時に撮る一番難しい写真が一番良い写真」ということになります。

そしてF1は市街地サーキットもあり、必ず外の撮影なのでストリート・フォトグラフィーの要素が大きく、「世界一危険なストリート・フォトグラフィー」とも呼ばれています。

両方とも受け売りですが、カッコいいです。

ルイス・ハミルトン

ゲートを過ぎて最初のメルセデスのモーターハウスの前にカメラマンが立っていたので観察していると、二階からルイス・ハミルトンが出てきました。

Lewis Hamilton

後ろにいるのはルイスのパーソナル・トレーナー

Lewis Hamilton

音楽の世界ではUKの結構な人達に会ってきましたが、これほど雰囲気を感じた人間を見たのは初めてでした。

「ビートルズやマイケル・ジャクソンを見て人が気絶してたのはこれか」と理解させられるほどの覇気を纏っていました。

 

イギリスが輩出した歴史上最高のアスリートと言われているルイス・ハミルトン、F1界で一番幼少期貧しかったドライバーで、F1まで上り詰めたストーリーも半端じゃなく、そこから世界タイトルを7回獲得、年俸から人気までダントツです。

こんな凄いドライバーにもパーソナル・トレーナーが居て、後ろに映っているカレン・アンジェラという女性がそうで、F1で唯一の女性理学療法士・トレーナーです。

F1ドライバーのトレーナーは、元サッカーフランス代表選手だったり、元フィンランドアイスホッケー代表選手だったりと、超一流アスリートがサポートをします。

このようなトレーナーとの関係も見所の一つ。

その後そのままルイスを追いピットレーンへ

Lewis Hamilton

ダニエル・リカルドが一番にもう走り始めます

McLaren Daniel Ricciardo

平静を装ってメルセデスガレージの前へ

Lewis Hamilton

ピットから出ていくルイス

Lewis Hamilton

 

Lewis Hamilton

テスト走行中

Lewis Hamilton

前回少しだけ触れた、四度チャンピオンになっているセバスチャン・ベッテル、アストンマーチンドライバー

Sebastian Vettel

去年ルイスを5年振りに王座から下ろした24歳のオランダ人ドライバー、マックス・フェルスタッペン、レッドブル

Max Verstappen

僕は去年の激闘でマックスではなくルイスを応援していまして「レッドブルなんて一生飲まねー」と言っていましたが、レッドブルのホスピタル・スイートに呼ばれる用があり、無料レッドブルを出されると大喜びで飲んでしまいました。

DAY3の午後には、今年のウェットタイヤのデータを取るために巨大なタンクに大量の水を入れたトラックがサーキットに水を巻いて雨のコンディションを作るのですが、その光景も圧巻でメディアもざわついていました。

ダニエル・リカルド爆走

Daniel Ricciardo

McLaren Daniel Ricciardo

フェラーリのシャルル・ルクレール、この後声をかけてくれてめちゃくちゃ嬉しかったです

Ferrari Chales Leclerc

ピットアウト

Ferrari Chales Leclerc

角田 裕毅

F1というのは国と国の戦いでもあり、その日優勝したドライバーの国歌が流れます。

フェラーリはイタリア、マクラーレンはイギリス、メルセデスはドイツ、など、それぞれのチームが国を代表して戦うのですが、日本のチームはありませんし、日本の国歌がF1の表彰式で流れたこともまだ一度もありません。

これを初めて達成してくれる事を僕が願ってやまないのが『角田 裕毅』という20人いるF1ドライバーの中で最年少21歳のアルファタウリ所属・日本人ドライバーです。

日本での知名度が低過ぎて、おそらく国を背負って走っていない唯一のドライバーかもしれませんが(笑)

角田君(と呼んでます)と一対一で10分だけ貰えるという約束をチームと取り付けてもらい、DAY2に撮影をすることになったので囲み取材をされている角田君を追いました。

凄く、凄く、凄く、立派でした。

16歳でイギリスに来てまだ4年目でF1まで駆け上がり、今年2年目、過去最高の日本人ドライバーと言われているのも凄いですが、西洋人の中に飛び込みインタビューを英語で答え、他のドライバーとも楽しそうに話してるのを見ていると痺れました。

囲み取材が終わり、角田君がブースが出てくると強めの握手をして「初めまして、Jayです。よろしく。俺、角田君の事マジで死ぬ気で応援してるから頑張って」と言うと結構強めの握手で「ありがとうございます!」と答えてくれて好青年な感じでした。

Yuki Tsunoda

Yuki Tsunoda

角田君のチームメイト、ピエール・ガスリー。僕の一番好きかもしれないドライバー、彼の初優勝は泣きました

Pierre Gasly

ルイス・ハミルトンや角田君などのドライバーについてはまたいつか書いてみようかと思います。

グランプリへ

とりあえず一度目のテストでクビになることは避ける事が出来、まず今年はヨーロッパ全てのグランプリに行く事になりました。

来月から始まり、イタリア、スペイン、フランス、モナコ、オーストリア、ハンガリー、ベルギー、オランダ、そしてイギリスのグランプリに撮影に行く事になりメディア申請が降りるのを待っているところです。

さらに砂漠などでやるWRC(ワールド・ラリー・レーシング)と言うレースがあり、「撮影興味あったら行きたい?3人1組で1500kmくらい走りながら撮影で超過酷だけど」と言われ「めちゃくちゃ面白そうじゃないっすか」と、ラリーの撮影もしていく事になったので、頑張ろうと思います。

グランプリの先々で街を撮るのも楽しみの一つですが、サーキットの行き方の下調べなども含め旅というか冒険をしてる感じがたまらないんですよね。

 

バーレーン、サウジアラビアなどグランプリをやる中東の国々は、バルセロナで話したジャーナリストやフォトグラファーが「あんなとこ行ってもマジつまんねーよ」「四日間ほとんど食えなくて死ぬかと思った」など、面白い話を聞かないので今年はやめておきました。

今回のバルセロナ・プレシーズン・テストは朝から晩まで超過酷で、他のメディアの人達からテストがダントツで一番長くてキツイと聞いて少し安心しましたがバンドのツアーよりは全然楽です。

 

ところで、初日に一本も吸えなかったタバコも、サーキットの外でフォトグラファーや、クラッシュに備えて待機しているスタッフが普通にタバコを吸っているのを見つけたので聞いてみると、どこでも吸って良いとの事。

タバコを咥えながらF1をすぐ目の前で見るのも、撮るもの、最高に幸せでした(笑)

 

そんな時に撮ったルイス・ハミルトン

Lewis Hamilton

 

お付き合いありがとうございました

 

 

Jay