第4戦イタリア・エミリアロマーニャGP – アイルトン・セナに会いに・グランプリの流れ –

  • 2022/04/25
  • F1
セナの写真

F1ワールドチャンピオンシップ、第4戦ITALIA EMILIA ROMAGNA GRAND PRIX、撮影に行ってきました。

 

F1グランプリの流れ

 

F1の会場は火曜から設営が始まり木曜には完成、車の組み立てなども始まり金曜のテスト走行に間に合うように行われます。

メディアは木曜日から入れるようになっており、通常水曜日からメディアパスが受け取れるので、現地入りするのは僕は火曜か水曜にしています。

 

今回のグランプリ・スケジュールは

金曜 – フリー走行1・予選(タイムアタック)

土曜 – フリー走行2・スプリントレース

日曜 – 本番レース

 

フリー走行というのは一時間チームが自由にサーキットを走って車のデータを取ったり、セットアップの修正を加える時間のことで、通常は3回ありますが、今回のエミリアロマーニャ・グランプリは今年はここイモラ、レッドブルの本拠地オーストリア「レッドブル・リンク」、そしてブラジル「インターラゴス」で3回ある「スプリントレース」のせいで少し変則的なスケジュールになっています。

 

金曜のフリー走行後、数時間開けて「予選」が行われます。

予選は英語で「Qualifying」。

タイムアタックをして何をするかというと、20台の車のレーススタートの順番を決めるんですね。

スタートポジションというのは日本語英語で、英語では「Grid Position(グリッドポジション)」と言います。

この予選は3回に分けられており、Q1、Q2、Q3となっています。

Q1は18分間行われ、遅い5台がQ2に残れず、上位15台でQ2に進みます。

7分間のインターバルがあり、車に少々のチェンジを加えたりした後、15分間のQ2が始まって更に5台が落とされ、最後に8分のインターバルの後、上位10台で12分間のQ3へ行きます。

このQ3で一番速いドライバーが「ポールポジション」、トップで本番をスタートします。

この流れがきっちり一時間になっているんですね。

 

 

ここでF1の名物、ラジオ(ドライバーとチームの会話)なのですが、キャリアの中で一度もポールポジションを取れずに引退するドライバーがほとんどの中、「最高だよランド、ポールポジションだ!!」などとエンジニアから伝えられたドライバーが「うおおお!!やったぜー!!!!」と泣いたり、笑ったり、喜びを爆発させるのが醍醐味の一つで、他にも死んだ友達へのメッセージや、世界のファンへのメッセージなど、僕はこれ、何度見てもレースを思い出して泣きそうになります(笑)

 

こちらYouTubeの無線集、日本語字幕付きなので興味があれば是非。

 

「感情を爆発させるドライバーたちの無線 総集編」|F1で学ぶ英会話

 

話は戻り、今回は変則でQ2の順位でスプリントレース、これはタイヤ交換なしの21週、距離にして100km、これを25-30分で走り切るのですが恐ろしいスピードです。

 

この土曜のスプリントレースの結果で日曜に本番のレースがあるのですが、このスプリント、ドライバーたちにはあまり人気がありません。

万が一車をクラッシュしたらエンジニアは徹夜で修理しなければいけませんし、終わってもレース前とセットアップが微妙に変わり本番で速さが出ないようなことがあるんですね。

日曜にはドライバーズ・パレードと言って、サーキットを一周しながらドライバーが手を振ったり、インタビューに応えたりする時間が30分あり、そこから一時間半の休憩の後本番のレースが始まります。

これが今回のグランプリの流れで、僕はというと、水曜からメディアパスがもらえるという事、サーキットの撮影ポイントの下見をしたい事から今回は水曜日に現地入りしました。

 

「感情を爆発させるドライバーたちの無線 総集編」|F1で学ぶ英会話

 

水曜の朝、4時に起床しヒースロー空港へ向かいイタリア・ボローニャへ飛びます。

そう、ボロネーゼとラザニアの発祥の地、イタリアン好きにはたまりません。

行きの飛行機のゲート前にはウィリアムズ、マクラーレン、アストン・マーチンなどF1チームスタッフもすでにユニフォーム姿で搭乗を待っていて、これがたまらなく格好良くて朝っぱらからすでに興奮気味でした。

 

朝10:30にボローニャに到着、ボロネーゼとラザニアには目もくれずレンタカーを受け取りまずはホテルへ。

 

ピアノロ、というボローニャ郊外のとても美しい田舎町で、ホテルスタッフともとても仲良くなり最高の滞在でした。

ホテルに荷物を置き、車で50分、サーキットのあるIMOLAに向かいますが、運転中にFIA(Federational Internationale de I’Automobile)から「メディア・パスがミラノから届いてなくて今日は来てもダメだよ」とメールがきました。

FIAというのは世界のモータースポーツを統括している協会で、長い名前がフランス語なのはモータースポーツ発祥の地だからで、モータースポーツ用語にはフランス語がたまにあります。

フェラーリ・アルファタウリの本拠地、イモラへ

 

「明日来てね」とメールが来ましたがもう運転を始めてしまったので、そのままセナの銅像を見に行くことにしました。

 

タンブレロ・コーナーというカーブで死んだセナ、ミネラル・ウォーターズ・パークという公園がありF1開催中は公園の中もチケットを持っている人しか入れないのですがそこにセナの銅像が記念に建てられています。

 

公園に入って「どこにセナいんの?」と聞いてみると「ここ真っ直ぐ行くと絶対見落とさないから行ってみ」と言われ歩いて行くと、手に薔薇の花を一輪持つセナの銅像がありました。

アイルトンセナ、銅像

凄く静かな公園でベンチがいくつかありいつまででも座っていられそうでした。

世界各国から訪れた人たちのメッセージが国旗に綴られています。

セナの銅像付近

この奥はすぐもうサーキットになっていて、当日はグランプリのチケットを買った人たちがここからもF1を見れるようになっています。

ここが、セナが死んだコーナーなんですよね。

昔の写真もたくさん、ちょっとジーンと来るものがありました。

セナの写真

この日はこれで大満足し、宿に帰って木曜に備えることにしました。

アイルトン・セナに会いに

朝6:45に起きて7時には宿を出発、メディアパスをもらえるセンターに向かうのですが、なぜかこれがサーキット内ではなく全く関係ないところにありました。

8時に着いてすぐにパスをもらい会場に行きたかったのですが、なんとまだパスが来てないと言われ、同じようにブチ切れているメディアがたくさんいました。

ですがブーブー文句を言いながら待っている中で、Red Bull Racingのチームフォトグラファー、アストン・マーチンのドライバー、ランス・ストロールの専属フォトグラファーと知り合えて3時間も話す機会が出来ました。

1人は180回のグランプリに行っている超ベテランで、凄く面白いF1ドライバーやフォトグラファーたちの裏話を聞けたのでまたの機会に書こうと思います。

僕は3時間待ってもらえたのですが、この2人は5時間待ったらしく会場で会った時はまだ怒っていました(笑)

この日はまだ車も走らせないのでみんなリラックスした雰囲気でした。

まず、広大な駐車場に車を止めて、メディアセンターへ向かいます、メディアセンターはこんな風で、青いタオルが置いてあるのが僕の席です。

席は自由に選ぶことが出来て、グランプリ期間はここが僕の作業場所になります。

僕の席のすぐ隣にはドアがあって外に出られるようになっており、席もありタバコも吸え、ピットレーンで働く人たちを見られるようになっています。

左手のDHLの看板の上がメディア・センターになっています。

ピットレーン

席を確保し、カメラを持ってパドックに向かいます。

Imola circuit paddock

この日はまだ終始のんびりした雰囲気でパドックもガラガラ。

この一番奥に行くと、チームスタッフやドライバーが入ってくるゲートがあり、何人かフォトグラファーがいたので「もうドライバー皆んな来てんの?」と聞くと「ルイス・ハミルトンはまだ来てねーぞ」というので一緒に話しながら待つことにしました。

ここにはメルセデスのフォトグラファーがいて「あんたのビデオ見てなまらインスピレーション貰ったんだよね、会えて最高っす」と伝えました。

そうこうしているうちに次々とドライバーがやってきます。

アルファタウリの日本人ドライバー角田君と、ピエールガスリーのコンビ

 

yuki tsunoda imola

Pierre Gasly Imola

この2人は兄弟のように仲が良く、じゃれあってる姿が名物になっています。

次はレッドブルオーナー、ヘルムート・マルコと4度の世界チャンピオン、アストン・マーチンのセバスチャン・ベッテルが一緒に来て皆んな騒ついていました

Sebastian Vettel & Hurmet Marko

この後他にも数人のドライバーが来て撮影し、「まだルイス来ねーのかよ」と他のフォトグラファーたちが文句を言い出した頃にF1のテレビカメラマンが走って行くのが見え、「来るぞ!!」とフォトグラファーたちが構え始めると、ルイスが現れました。

と、1人の60歳くらいのカメラマンが「あのクソ野郎、待たせやがったクセにマスクしてるべや!」と結構大きい声で言い、軽い笑い声に包まれました。

Lewis Hamilton Imola

すれ違いざまにルイスに「Hey, good afternoon!」と言われ気絶しそうになりました。

規格外の格好良さと、異常なほど良い匂いがしました(笑)

ルイスの香水を調べて38歳にして人生初香水デビューしようかと思います。

Lewis Hamilton Imola

ここでルイスを撮ったらフォトグラファーが全員即撤収してしまい、「まだ来てないドライバー可哀想だなー」と思いましたが僕もメディアセンターに戻り、木曜は何も起こらない日なので帰ることに。

 

次回は金曜から日曜のグランプリの様子を写真と一緒に書いていこうと思います。

 

Jay