前回の投稿では金曜・土曜の様子を書きました、今回は最終日、日曜のレースの様子を写真と一緒に書いていこうと思います。
日曜日にはF1の出来事は二つ、「ドライバーズ・パレード」と「レース」があります。
僕は運が良いのか悪いのか、色々な抽選に全部当たってしまったので今回サーキットに出るタイミングが2度しか無く、どこのコーナーで今日写真を撮るか、会場に入ってからいくつかのコーナーを下見に行きました。
僕らフォトグラファーはサーキットのすぐ近くで写真を撮っていますが後ろには金網があり観客が居て、その盛り上がりを見ているのも結構面白いんですよね。
フェラーリのファン達
前に出てくるのは男性が多いように見えますが、実は今のF1の観客の40% 以上は若い女の子で、世界中を追いかけているような子もいるのは、おそらくなぜかドライバーが男前ばかりだからでしょう。
ドライバーズ・パレード
ランチの後は「ドライバーズ・パレード」と言い、サーキットによっては各ドライバーがクラシックカーなどに乗ってゆっくりサーキットを一周し、その間観衆の声援に手を降ったり、インタビューに答えたりするものです。
これが日曜日には13:00からだったので、この日は少しゆっくり10時頃に宿を出発しましたが、三日間で一番の大渋滞で会場入りするのに一時間半以上かかりました。
朝ご飯のクロワッサンや美味しいイタリアンコーヒーも自由に食べ飲み放題でした、因みに、イタリアでコーヒーが200円以上することはありません。
ここまで一切触れていませんでしたが、このグランプリ期間はF1だけやっているわけではなく、合間にF2、F3、ポルシェのグランプリもやっていました。
F2の優勝者は来年F1に上がるチャンスがあり、J2がJ1の前座として同じ会場でやっている感じです。
僕は正直そこはイマイチ興味がないので一枚も撮っていませんが・・・・・。
「ドライバーズ・パレード」の抽選もあり、これは誰も居ないサーキットに出てパレード出発と帰ってきた時に撮影出来るようになっており、これにもなぜか当たりました。
多分フォトグラファーは会場に全部で100人くらいに感じましたが、色々なパスを貰う時の抽選は25人だけが当たることになっています。
あいにくの土砂降りで、ドライバーも傘をさしてますし僕らのテンションもいまいちでしたが、撮影を始めます。
トラックの後ろ(?)と言えばいいんでしょうか、ドライバーたちが次々とやってきて乗り込みます。
観衆に手を振るルイス・ハミルトン、この雨が色々台無しに
ピエール・ガスリーは写真を撮ってました
ルイスの隣を1分くらい歩く瞬間があったのですが、半端じゃなく良い匂いがしまして・・・・インスタグラムのストーリーで「ルイスが何の香水を使っているのか知ってる人がいたら教えてくれ」と投稿すると過去例のない勢いで世界のルイス・ファン達から情報がきて同じ香水を手に入れました、覚えている限り人生で初めて購入した香水です。
話は戻り、アルファタウリの角田君もやってきます。
英語でジョークも飛ばし、ここイモラは彼のチームのホームという事もあり大人気です、日本人として外国人の中に入り、こんなに立派に戦っている姿を見て本当に頑張って欲しいと思います。
こんなトラックに乗ってサーキット一周へ旅立って行きます。
サーキット周りには巨大なスクリーンがいくつもありそれを見ながら観客はレースの状況を知ることができ、インタビューも流れます。
フェラーリのドライバー達と、アルファタウリのドライバーがスクリーンに現れるたびに物凄い歓声が上がります、熱気が凄い。
ファンサービスでシャルル・ルクレールがトラックから飛び降りて走り始めたら大歓声
角田君とガスリーコンビもファンに挨拶
10分ほどファンの声援に応えた後、レースの準備に一度モーターハウスに帰って行きました。
レース本番
このパレードが終わり、一度撤収、僕も嫌になるほどずぶ濡れになり「レース中2時間もどうすんだよ」と思っていましたが、レース直前にまさかの晴れ模様に。
パドックを通って、サーキットへの入り口に向かうと、すでに大混雑。
ここを通りスタート前の様子を撮影へ。
ルイス・ハミルトン、準備中です
なぜか靴を履き替えるシャルル・ルクレール、靴を履くところすら格好いい・・・
前回はドライバーを投稿に結構載せたので、今回はチームのボスを数人。
レッドブル代表、クリスチャン・ホーナー、インタビュー中
角田君のボス、アルファタウリのトストさん、めちゃくちゃ優しそうでした
アルファ・ロメオ代表、フレデリック・バスール
去年までのルイスの相棒、現在アルファ・ロメオのドライバー、フィンランド人のバルテリ・ボッタス、死ぬほどサウナが好きらしい。
アストン・マーチンのセバスチャン・ベッテル、ヘルメットはウクライナ・カラー。
この後、イタリアの国歌斉唱があり、ドライバーたちは「フォーメーション・ラップ」と言い、一周だけゆっくり走ってそれぞれのスタート位置に付きます。
そこから63周、2時間ほどレースなのですが、僕のようにスタート直前までグリッドにいるフォトグラファーは残念ながらスタートの瞬間はどこかのコーナーに行く時間が無いので撮影は普通できません。
「どこから撮ろうかなぁ」と考えていると、メディア・センターの隣に地上8階建てくらいのフェラーリ・タワーというVIPやレッドブル、メルセデスなどの専属フォトグラファーしか登ってはいけないタワーがあるのを思い出し、とりあえず向かってみます。
ここには6人の選ばれたフォトグラファーしかいけないのですが、満面の笑顔と全力のウィンクで、何も聞かれる事なく登ることができました。
そしてスタートに間に合うという奇跡
路面はまだびしょ濡れ、アドレナリンもダダ漏れです
スタート直後、最初の数台が見えなくなったところでコーナーの方から「うぁぁぁぁぁあ!!!」と悲鳴が聞こえ、フォトグラファー同士で「何が起こった!?」とお互い聞き合いますが誰もわかるはずはありません。
その後、フェラーリのドライバー、カルロス・サインツがクラッシュしたことがわかりました。きっとファンは残念だったと思います。
ハースのケビン・マグネッセンとメルセデス、ジョージ・ラッセルのバトル
マクラーレン、ランド・ノリスとフェラーリ、シャルル・ルクレールのバトル
ダニエル・リカルド
ここから見るF1レースは「最高」としか言いようがありませんでしたが、いつまでも居るわけにはいかないのでしばらくしてタワーを降り、セナが死んだコーナー、「タンブレロ」へ向かうと、さっきクラッシュしたフェラーリの車が置いてありました、ベタベタ触りまくったのは言うまでもありません
角田君はこの日大健闘の7位、マジで凄い
半分くらいすぎると「あー、これはもうMaxが勝つな」と言う雰囲気。
もう一つくらい違うコーナーに行けるんじゃないか?と思い、またダッシュで別の場所へ。
ルイス・ハミルトンは散々な結果でしたが、撮らずにはいられません、ちょっとアーティスティックな感じで。
フォトグラファー同士は「今何周?」「後どんくらいで終わるかわかる?」など話し合いますが今どうなっているのか誰もわかりません(笑)
そこで巨大スクリーンを望遠レンズで見ると、残り10週、下手すると表彰台を撮影するパスを持っているのに戻ったら終わってしまっているかもしれないので、全力ダッシュでスタート地点に戻ります。
ギリギリ間に合い、ドライバーが帰ってきました、優勝はレッドブルのマックス・フェルスタッペン、ダントツでした
今F1の世界は「Drive to Survive – 栄光のグランプリ」がネットフリックス史上世界で一番人気のある番組になり、チームのスタッフまで有名人になっています。
二位は同じくレッドブルのセルジオ・ペレス、今年初のワンツーです。
そして三位のマクラーレン、ランド・ノリス、今年最初の表彰台で、無邪気な彼が嬉しそうだとなぜか周りも笑顔になります、女性人気も高い。
その影で、最後の最後でスピンしてしまい、ファンの期待に応えられなかった失意のフェラーリ、シャルル・ルクレール
レッドブルのドライバー時代に4度の世界チャンピオンになったドイツ人、セバスチャン・ベッテル、昔のチームメイトに「おめでとう」と声を掛けて行きました、彼は5ヶ国語以上を流暢に操りユーモア抜群、人気者です
この後「クーリング・ルーム」という小さな部屋でドライバーは少し休み、表彰式へ。
まず優勝したドライバーの出身国の国歌が流れますが、残念ながら日本の国歌が流れたことは無く、角田君が流してくれる事を願っています。
国歌が終わると、あの有名な曲とともにシャンパン・ファイトが始まります。
大はしゃぎのランド・ロリス
マックスとセルジオも楽しそう
ここまでレース開始が15:00、全て終わるのが18:00くらいでした。
全ドライバーがこの後インタビューに答える義務があり、小一時間くらい世界各国のメディアの質問に答え、これで本当に終わりです。
僕は晩御飯を食べてこの日の写真を全て編集、宿に帰ったのが深夜12時頃でしたが、大満足の4日間でした。
翌日はホテルスタッフも「チェック・アウトは何時でも良いからゆっくりしてきなよ」と他のF1を見にきている客たち(この辺一体のホテルに滞在してるのは全てF1ファン)とコーヒーを飲んでおしゃべりをしましたが皆良い人たちで、元々好きだったイタリアがさらに大好きになりました。
それにF1の世界はフォトグラファーだけでなくとも差別があるし、大変なことが多いだろう、と聞いていましたがどの人に話しかけても良い人ばかりでした。
次回はバルセロナ、今度は天気が良いのを期待したいと思います。
3回に渡るグランプリの記事、お付き合いありがとうございました、これからはこのブログ、旅とF1の話ばかりになると思います(笑)
Jay