世界最大の野外フェス-グラストンベリー・フェスティバル撮影-

カナダグランプリを休んだため少しゆっくりとした二週間のF1休みの間、グラストンベリー・フェスティバルへ撮影に行ってきました。

メディアのチケットも申請で抽選なので、貰えたのはめちゃくちゃついてます。

 

ロンドンからは車で2時間半ほど、ストーンヘンジを横目に南西へ、ピルトンという場所が実際の会場でグラストンベリーではないんですよね。

 

アーサー王伝説ってのがありまして、それがグラストンベリーが舞台なんですけどそこから取った名前みたいです、元々はヒッピーが始めたフェスティバルで第一回は1970年、参加者1500人から始まり現在50年以上続いています。

特徴は80を超えるステージに、とにかくどこまでも『自由』、会場には火曜から来ることができて翌週月曜までいるのが猛者たちの過ごし方です。

 

コロナ前にバンドで演奏したんですけど、何せ規模はフジロックの5倍以上ということで、というか実際はどこのフェスでプレイしても同じですけど僕らはあんまりフラフラしないで帰るバンドだったんでグラストンベリーもほとんど見てなくて今回初めてちゃんと歩いた感じになりました(それでも全部見るのは諦めましたが・・・)。

木曜日は前夜祭、数万人がすでに現地入りでかなり派手にパーティーをしていました、まだ始まってもいないのにドラッグのオーバードーズで救急車で運ばれていく人たちがチラホラ(笑)

すごい人

ICO Nエリア、DJがいます

関係者用のホスピタリティーエリア、ここでキャンプするだけで10万円以上するそう

ホスピタリティのカフェで朝食、僕は暑さにやられてて何も食べれませんでしたw

メディア・センターはこんな感じ、テントなんですけどF1とは当然全然違いますし、めちゃくちゃ緩くて最高でした、撮影する瞬間以外はズーーっと上半身裸でいられますし、めちゃくちゃ楽しかったです、食事提供は無し。

パソコンやカメラの機材は24時間預けれる場所があって便利でした、一つ、Wifiがあまりにも弱くてちょっとこの場で大量の写真を送ったりする仕事は辛い気が・・・

右の人が岡山で自分のバンドでライブをした時にお世話になってからの友人で、グラストンは4回目のキャンプの達人こと北島さん(岡山へ行く際はぜひ北島さんのお店、KAMPへ)、アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤さんも初めて会いましたけどめっちゃくちゃ良い人でした。

あと撮影は、F1の時は全部カラーが基本なんで、白黒で撮れるのが久しぶりで楽しかったですね。

雨も降らずずっと快晴、天気がいいフェスは最高です

毎日新聞を作っていて、他に昔の機械でプリントしたポスターが売っててこれがカッコいいんですけど、紙が特別らしく毎朝始まったら昼過ぎには完売してしまうそう

ロボットがメタルを演奏してたり

メタルドラマー

よくわからない床屋さんがあり

セキュリティーもノリノリです

この四日間のためだけに街を作ります

本当に広大な敷地で、いくつかの農場をくっつけて会場を確保していますが、やはり毎年開催すると土地が荒れるので5年置きにお休みをしています

ここはトイレ地帯、『地獄』という言い方しか僕には出来ません。

数百メートル先から臭いがするのでトイレがあるのがわかるほどで、マジで辛かったです、ホスピタリティーエリアのトイレは綺麗。

壮大な眺めのキャンプサイト、こちらは一般のエリアで、100万円以上払えばグランピングもできます

なんか火ィ吹いてるぞ?と北島さんとそちらへ向かいます

蜘蛛がいました、体部分にDJブースがありますが全く見えませんw

ケミカル・ブラザーズがやるということですが写真は無理だな、と思いスキップ。

木曜日はひたすら散歩をして10時頃にキャンプサイトへ戻り、火曜から現地入りしてる日本からの皆さんにカレーをご馳走になって就寝。

ところで僕潔癖症気味なもんでキャンプが苦手でして・・・夜シャワー浴びないと家でも絶対寝れないタイプで、多分一番向いてない方だと思いますがこれから毎年慣れて行きたいなぁ、と思います。

朝は灼熱のテントで8時頃に目が覚め、コーヒーと一服をしてメディアテントへ、プログラムを見て何時に誰のライブを撮りに行くか決めます。

今年のラインナップは正直あんまり魅力がなかったんですよね、というのも、何年も前と大して変わらないラインナップというか、全然新しさを感じられないもので、Guns & RosesやElton Johnなども「もういい加減飽きたよ」という声が多かったです。

というわけで正直僕にとって「このバンド絶対撮りたい!」というバンドはいませんでしたw

メインの「Pyramid Stage」とその次に大きい「The Other Stage」の二つを行ったり来たりと撮影することに、まず金曜日の一発目、The Hivesを撮りに行きましたが「まだやってたんだ」というのが第一印象でしたが、さすがの盛り上がりで良いライブでした。

昼の一時からのライブですがすでに大盛り上がり

続いてChvrches(チャーチズ)というバンドの撮影へ、「ボーカルの子、可愛いから撮った方がいいよ」と言われたので行ってみました・・・・可愛かったです(笑)

Lauren Merry Chvrches

フェスティバルでは演奏最初の3曲ほどの撮影なので・・・F1とは(体力的には)比べ物にならないほど楽でしたが、ライブ写真も撮影は楽しいのでこれから音楽の方の仕事も増えたらいいなぁと思います。

ただ、ルイス・ハミルトンでさえ「撮影禁止」などということはないのですが、ガンズやエルトン・ジョンは一切の撮影が禁止(専属か音楽雑誌のみ)というのが奇妙に感じました。

あとラッパーやDJが目立ち、バンドが減ってるのが悲しいですね・・・10億円ほどアーティストのブッキングで使っているという噂ですが、バンドよりもラッパーやDJのギャラの方が高いそうで、僕のような元ミュージシャン側からすると本当に理解できませんw

 

7時頃、といってもイギリスはこの時期は夜10時まで明るいんですけど、Royal BloodをPyramid Stageに撮りに

シークレット・バンドが来るということで、まぁ僕はFoo Fightersだというのは知ってたんですけども、その撮影が正直一番楽しみだったのにまさかの一切の撮影禁止、「これもマジで理解できねぇな」とブツブツ言っていると、「ガンズなんかも高校時代の友達、とかにしか撮影させなかったりするんだよ、友達に稼がせてあげようとしてるのさ」という話を聞き、そこまで露骨だとは・・・まぁまぁ驚きましたw

最後がアークティック・モンキーズ、彼らも長い間現役を続けてて凄いですよねぇ・・・アレックス・ターナーはちょっとエルビスみたいでした

僕らはステージの下からしか撮らせてもらえないですけど、専属や雑誌から来てるフォトグラファーはステージ脇から撮れるので羨ましいなぁと思います・・・・でも見れば見るほど音楽がやりたくなってソワソワしましたねw

アークティック・モンキーズも多分10分も撮影する時間はもらえず、名残惜しいままメディアセンターへ、しばらくゆっくりして編集、夜中の12時頃に「ちょっとキャンプ無理かも・・・」とヘタレ具合を発揮してロンドンへ車を走らせ、家に着いたのは3時頃でした。

でも来年は「絶対に三日間キャンプをやり切る」と今から覚悟を決めています。

このグラストンベリー、交通・滞在はもちろんチケットもラインナップが発表される前にソールド・アウトという超ハードルの高いフェスティバルですが、経験すると多分人生観が少し変わるんで一度体験してみて欲しいとホントに思います。

ただ、一つ気になるのがやっぱりゴミとポイ捨てなんですよね。

朝になれば片付いていますが、それでもどこにでもゴミを、しかもこの美しい農場に捨てまくるのはどうかと思います・・・イギリスの人達はそんな事を気にしてる人はほとんど居なそうですが、こういうところ、日本人は気にする人間でありたいですよね。

 

と、一旦、8月のF1の夏休みまでは音楽系はお休みで、明日、オーストリアはウィーンへ飛び立ちますので引き続きこちらをチェックして頂けると最高に嬉しいです!

 

Jay