「MEGUMI」ロンドン在住日本人最高のミュージシャンの生き方

西ロンドンのライブハウス、music venue in west london

19回目の投稿になります。

 

 

写真は西ロンドンのとあるバーで毎週日曜日に行われていたレゲェのジャム・セッションでの一幕です。

 

 

イギリスはジャマイカよりもレゲェ・ミュージック業界の規模が大きく、数々のアーティストのライブを楽しむことができます。

 

 

無料同然で参加出来るイベントもたくさんあり、ライブ・ミュージックはロンドンに住んでいる醍醐味の一つであるのは間違いありません。

 

以前の記事で昔の戦友について書きましたが今回は僕が最も尊敬しているロンドン在住の日本人ミュージシャン「MEGUMI」さんについて書こうと思います。

 

 

こちらは僕たちの共通の友人のプロデューサー(僕のバンドのアルバムも彼が録音してくれています)であり、UK・ダブのパイオニアでもあるNICK MANASSEHの作品です。

 

後ろの白人の彼がニックです。

 

 

ロンドンで活躍する日本人ミュージシャンと言えば「布袋寅泰」や「葉加瀬太郎」を日本のメディアは取り上げるでしょうが、僕に言わせれば冗談じゃない、「MEGUMI」さんを取り上げずに誰を取り上げるんだと思います。

 

 

葉加瀬太郎のライブに友人に誘われ行きましたが何が良いのかわかりませんでした。

 

 

とても・・・・・ダサかったです。

 

 

今までなぜ彼女が日本のメディアに出ないのか、僕はてっきり彼女がオファーを断っているのだと勘違いしていたほど、世に出るべきアーティストだと思います。

 

 

テレビや新聞からオファーは無いのか聞いたところ「そんなオファー来た事ないよ(笑)」という答えだったので少しでも知って欲しいと思い「じゃあ書いてもいい?」とブログに載せることにしました。

 

 

正直僕が初めて「MEGUMI」さんの事を記事(と呼んで良いのかわかりませんが)に出来る事が光栄にすら思えます。

 

言うまでもなく彼女は僕が出会った日本人ミュージシャンの中で最も尊敬している一人ですが、なぜそれほど尊敬しているのかというと、数十人単位の共通の知り合いのミュージシャンの誰からもリスペクトされていて、とても愛されています。

 

 

それに彼女は僕の人生でミュージシャンとしてやりたい事をほぼ全て達成しているんですよね。

 

 

彼女は50カ国以上のワールド・ツアーを経験しており、フジロックはもちろん世界最大級の野外フェス、グラストンベリー・フェスティバル、モントリオール・ジャズ・フェスティバル(僕はここに凄く行ってみたいんです)など世界中の名だたるフェスティバルに出演しています。

 

 

さらに2005年にはノーベル平和賞授賞式典にてキューバとジャマイカの音楽を融合したバンド、SKA CUBANOでプレイしています。

 

 

DURAN DURAN(!!)がいたそうです。

コロナに感染してしまったようですが・・・。

 

 

ノーベル平和賞でそのような催しがある事も彼女と話すまで知りませんでしたが、僕にとっては夢のようなステージです。

 

 

サックスプレーヤーとして参加したアーティストは上げればキリがありませんが、ALTON ELLIS, KEN BOOTE, LEE PERRY, THE SKATALITES, MAX ROMEO,BIG YOUTH, LETTLE ROY, PRINCE BUSTER, DERRICK MORGAN, LUCIANO,  JANET KAY, JAZZIE B, HOLLIE COOK, VIN GORDON・・・・・とリストは永遠に続いて行きます。

 

 

レゲェに詳しくない方のためにどれほど凄いのかと言いますと、居酒屋に行って二時間飲み放題中にかかる曲全て彼女が一緒にプレイしたアーティストの曲だというくらい凄いんです。

 

 

どんなサックスを使っているんだろうと思い尋ねると、「13歳の時に両親が父親の友人から買ってくれたサックスをずっと吹いてる」そうです。

 

こちらはMAFIA & FLUXYがプロデュースした彼女のソロアルバムです。

これはもう、バンドも含め最高に格好良いです。

 

 

9歳からサックスを吹き始めた彼女は17歳の時にはスカ、レゲェ、パンク、ブルースが大好きになっており東京のクラブを渡り歩いていたある日、ツアーでイギリスから来日していたギャズ・メイオールとトロージャンズのメンバーとクラブで仲良くなりライブに招かれアフターパーティーまで参加しました。

 

 

物凄い行動力です。

 

 

高校生にしてロンドンと強力な繋がりを持っていた彼女は20歳で渡英し1週間後にはトロージャンズと共にすでにロンドンでライブをしていました。

 

僕は20歳の時はシェフのアルバイトをしながらドラムを叩いていましたが(笑)

 

イギリスの観光ビザの有効期限は6ヶ月で、一度フランスなどに出て戻って来ると法律上は有効期限がリセットされ再び6ヶ月の滞在が可能になります。

 

 

昔はそうやってビザを伸ばしているミュージシャンやアーティストが多く、£500払うとビザ申請のため£5000の支払い証明を出してくれる架空の大学があったりと面白い時代でした(僕もお世話になりました)。

 

 

イギリスに来てすぐにトロージャンズと行動していたある日、観光ビザのままツアーでドイツ、ハンブルグからヒースロー空港に戻る時にトラブルになり2週間だけの滞在許可をもらったそうです。

 

因みに僕はきっちり入国拒否をされパスポートに✖️が二つ付き、一年間イギリスに入国を禁止されていました(笑)

 

その2週間で当時のパートナーと結婚を決め日本に一時帰国し、2年後再びロンドンに戻って来た彼女は音楽活動に没頭し世界中を回りました。

 

 

20年前ジャマイカに行った時にロイド・パークス・バンドに一曲やらせろと飛び入りし会場を大いに沸かせ「最後まで吹け」という事になり結果ジャマイカ・レゲエ界の大御所アーティスト、ケン・ブース、STRANGER COLE, PAT KERRYのライブに参加したそうです。

 

 

信じられない行動力です。

 

今時の日本男児の100倍くらい根性がありそうです。

 

 

シングルマザーで2児の母になっていた事もあり彼女はミュージシャンとしての生き方を変える事を決心し模索を始めました。

 

 

彼女が出した答えは「地下鉄でのバスキング」でした。

 

 

 

 

今まで世界ツアー、大型フェスティバルの数々を経験して来てなぜ自ら「地下鉄バスキング」を選ぶのか。

 

 

「これからは子供と一緒に過ごす時間を大切にして、演奏が大好きで人が聞いてくれることは変わらないから、これからは何も犠牲にしないで楽しく幸せに音楽と生きていく」と決めたそうです。

 

 

 

2016年から始めた彼女の地下鉄駅構内での演奏を、ある日一人の女性が携帯電話で撮影しFacebookにシェアしたところ大ヒット動画となり世界中から様々なメッセージが届いたそうです。

 

 

 

最近はあのウサイン・ボルトや、マイケル・ジャクソンの元プロデューサー、クエンシー・ジョーンズに演奏に招かれています。

 

 

面白いのが僕たち周りはてっきりMEGUMIさんが「趣味程度」で路上演奏をしているのかと思っており、まさか地下鉄演奏、「バスキング」のライセンスまで取得しているとは考えていなかった事です。

 

 

いつも楽しそうにサックスを吹く彼女ですが「頑張った事なんてない、楽しく好きなように吹いて気付いたらこうなっていた」と言います。

 

入学した中学校のブラスバンド部が新しく、サックスが一人しか担当出来ないけれどどうしても譲りたくなかった彼女は両親に「プロになるから買ってくれ」と説得したところからミュージシャン人生が始まったそうです。

 

 

 

SNSで彼女の動画を見て感動した海外の子達同様、日本の子供たちにも彼女のようなミュージシャンのストーリーが届けば良いな、と思います。

 

 

布袋や葉加瀬太郎も良いかもしれませんが、本当に音楽の素晴らしさを体感できるのは・・・・・・「MEGUMI」さんのライブですね。

 

 

僕は彼女のようなミュージシャンになりたいです。

 

 

彼女のソロアルバムは日本でまだ発売されていないので、レコード・レーベルの方是非連絡してみてはいかかでしょうか?

 

 

 

お付き合いありがとうございました。

 

 

 

Jay