地獄の南アフリカ式ロックダウン/18年前と比べ変わった旅の仕方/ドラッグカルチャーにまで影響を与えるコロナウィルス

コベントガーデン

37回目の投稿になります

 

写真はコベントガーデンというロンドンのフリーメイソンのグランドロッジがあるエリアです。

土曜日は普段人にぶつからずに歩けないほど混んでいますが、セキュリティー以外誰もいませんでした。

気付けばロックダウンも60日を超えました。

 

こちらは以前の投稿で僕のバンドのボーカルがカバーしているので是非ご視聴を。

このアルバムジャケットが好きでした。

BOB DYLAN/DON’T THINK TWICE

 

 

失われた旅の仕方

 

僕が初めてイギリスに来た2002年4月当時、まだインターネットは普及しておらず携帯電話も白黒でした(僕は10年前まで使っていましたが)。

バックパックで旅をする時は行く先々で地図を手に入れ宿なども行き当たりばったりで探していました。

昔オランダのアムステルダムに行った時に可愛いお姉さんがやっている安宿の客引きにJay少年はまんまと連れて行かれました。

恐ろしく汚い宿の共同トイレでS○Xをしている強者がいきなり目に飛び込んできて「この宿大丈夫か?」と思いドミトリーのドアを開けるとその部屋はコンクリート打ちっ放しで「窓なし」の男8人部屋でした。地獄です。

空いている2段ベッドに取り敢えず上がり横になって壁を見るとまさかの日本語で「騙されるな!!」の文字。

ベッドの上に横になる前に言って欲しかったですね。

人とのコンタクト・約束

どこかの国で山に登ろうと思い電車で向かっていた時の事です、その電車には喫煙車両がありました。

巨大な灰皿がいくつかおいてありその周りで吸うのですが隣にきたイタリア人がマリファナをポケットから取り出し吸い始めると同時に駅員がチケットを見に来ましたがマリファナには触れずに去って行きました。

その後彼とは友達になり一緒に山を登りました。

19歳の時ベネチアからミラノへ行く電車を待つためカフェでコーヒーを飲んでいると日本人に「う○こをしたいからカバンを見ていてくれないか」と話しかけられ一緒にミラノへ行くことになり、そのまま今でも友人関係を続けている人もいます。

26歳、フランスで捕まった時は見知らぬ人に命を救われ今でも友人です。

初めてロンドンでバンドを探した始めたときは楽器屋さんを周り張り紙の電話番号をメモして周りました。

もちろん道を聞くのもオススメのレストランやバーを探すのも次の目的地への行き方も全て人と話すことは欠かせません。

こういう旅の中で出会って来た数々の人たちと過ごした時間も、スマートフォンがあったら画面を眺める時間に取られていたかもしれません。

おそらく僕はヨーロッパに今のようなテクノロジーが行き届く前に(日本と比べればそれでもだいぶ遅れていますが)旅が出来た最後の世代だと思うのでとても幸運に感じます。

文化の受け渡し

日本でも「おもてなし」と言いますが大小はさておきまだ日本人が珍しかったのでしょう、旅を通じて今でも関係が続いている優しい人たちとのたくさんの出会いがあります。

僕の父親は「旅行はただの娯楽としてするのも、旅ってのは自分の小ささを確認するもの、だから若いうちに旅をたくさんしておけ」と言っていました。

なので若い時の方が今よりもずっと色んなところに行っていました。

今SNSで見るブックチャレンジなるものの真逆を行っていますが、僕は本は読み終わったら即捨てると決めています。

というのは人にあげるということです。

昔バックパッカーは一人一冊本を持っていて旅先で出会った他の旅人と本を交換するという文化がありました。

「フェルマーの最終定理」など貰わなければ絶対に読まないはずでしたが今でも人に勧めるほど面白い本でした。

他のヨーロッパはわかりませんがイギリスでは「知識は人に渡すもの」と言い、僕も同じ本がもう一度読みたくなったらまた購入し、読み終わったらまた誰かにあげる事にしているので家にはほとんど本はありません。

旅先で多国籍の若者が集まって情報交換をしたり酒盛りをしたりと今とは少し違う旅先の夜の過ごし方をしてたような気がします。

教育制度

これについては遂に変わる時が来たように思いますね。

イギリスでも何年も前から戦後あらゆるものが変化した中で最も時代に合わせて変化して行かなければならないはずの教育が一番発展が遅いと言われ続けてきました。

学生の頃。「真面目」になれ「普通」に生きろという言葉を浴びせる教師に惑わされなくて本当に良かったと思います。

ニュースでくだらない不祥事を起こす教師たち、数人の超優秀な先生のオンライン授業で姿を消すかもしれません。

イギリスの学校では義務教育として「宗教」の授業があります。

様々な人種が様々な宗教を信仰しているのでその考えを知っておくという名目だそうですが無宗教でこれをよく思っていない親も少なくありません。

そういう親は子供の自由な発想を親が育てる事ができる最高の機会だと言っています。

接客業

イギリスパブ大手チェーンのウェザースプーンが営業業態を発表しました。

僕は酒の入ったイギリス人達が言う事を聞くとは思えませんが一応載せてておきます。

パブ大手チェーン、ウェザースプーンの営業方針

 

要約すると、全てを現金化しスペースを広く保ち人同士の接触を無くすと言うだけですね。

パブ営業と同時に酔っ払って肩を組んで歌う姿が目に浮かんできます。

治安

イギリス含めヨーロッパは相当治安の悪いエリアがありましたがどこも随分綺麗になりました。

ですが新しい文化の生まれる土壌も一緒に失われていったように感じます。

中国で遂に導入されそうなソーシャル・クレジット・システム、人間の行動、教育、家族構成などから個人に点数をつけるシステムですね。

 

僕はいくら治安がよくなると言えどこれは・・・・やりすぎかと思います。

 

ドラッグデリバリー

 

キャッシュレスで実は相当困っているのはドラッグディーラー達です。

どのようなドラッグも大量のオーダーでない限り受け付けていないそうです。

マリファナのデリバリーは続いているようですが、現在ドラッグは郵便で普通に家にポストしているらしいです。

18年イギリスに住みましたがこういう所は相変わらず驚かされますね(笑)

お金のやり取りはBitcoinやPaypalなどを使用中とのことです。

ドラッグディーラー達もまさかのハイテク化を遂げるのか、絶滅していくのか・・・・

地獄の南アフリカ

 

パブのオープンに必死なイギリスとは対照的に南アフリカは地獄です。

数百万人が住むスラムが点在する世界一厳しいと言われるロックダウンを敷く南アフリカでは、人の集まりを制限するためと一切のアルコール・タバコの売買を政府がロックダウン開始と同時に禁止しています家庭で違法で醸造して売り出すものも現れ、仕事のない若者はタバコの闇売買をして警察に逮捕されています。

上流階級の白人達はロックダウン前に大量にストックしており問題はなさそうですが、すでに問題視されていた経済格差はさらに深掘りされ国はめちゃくちゃになっている、出来ればすぐに国を出たい、と言うのが現地に住んでいる白人の南アフリカ人の友人の感想でした。

やはり先進国に住んでいるだけで僕たちは幸せ者ですね。

 

昨日、僕のバンドがアルバムのレコーディングをしたスタジオに行ってきました。

半野外ということもあり「やりたい奴が居ればいつでも使わせる」との事なのでもしかするとバンド活動を始められるかもしれないのでワクワクしています。

 

 

お付き合いありがとうございました。

 

Jay