今回は”The Temple of Speed(スピードの神殿) ”と呼ばれるモンツァ・サーキットでのイタリアグランプリについて書こうと思います。
モンツァへ
オランダ・グランプリの後寝ずにロンドンに戻り、次の日の朝の飛行機でミラノへ向かいました。
今回はいつも滞在させてくれるミラノ、サン・シーロ・スタジアム近くの友人家族のところにお世話になりました、これからは毎年2回お世話になることになりそうです(笑)
モンツァは友人宅から車で30分ほど、今回の交通はレンタルカーで楽勝だな、と思い木曜日意気揚々とレンタルカー屋さんに行きましたが、デポジットを払うのにデビット・カードではダメで、クレジットカードがないと借りられないという「また」最悪の事態に、マネージャーまで呼んで頼み込みましたがだめでした・・・・。
担当の提案で「ブローカーに友達がコロナになったから車借りられない」って電話しろよ、と言われたので一緒に電話してそう言ってみると「コロナだって別になんでも出来るでしょ」との答え。
何を言っても「コロナは関係ない」の一点張りで返金不可、車もレンタル出来ず、サーキットに行かないといけない木曜の午前中を潰してしまいました。
デビットカードで車を借りられるとこ知ってる?と聞くと、「ここ以外ほとんど借りられるよ」というあり得ない答えをもらい、教えてもらったミラノ中央駅で一日150ユーロにビビり、結局1日木曜日だけ借りるのに600ユーロ、9万円ほどかかり、他の日は友達になったオランダから来ているフォトグラファーにお願いして乗せて行ってもらうことにしました・・・。
パプニングはほどほどにして欲しいと心から思います・・・。
イタリアン・グランプリ
このグランプリはイタリアで初めてレースが行われた最初のサーキットで今年で100周年、訪れたセレブリティーも、ヒュー・グラント、シルベスター・スタローン、ズラタン・イブラホムビッチ、イタリアの大統領の他にアーティストやデザイナーなど凄い顔ぶれで、総観客数は35万人だったそうです。
日本の首相は日本グランプリ・・・・・来ないでしょう。
木曜のドライバー達
ルイス・ハミルトン
ランド・ノリスは面白いタトゥーをたくさんしてました
チャールズ・ルクレール、モンツァが100周年、フェラーリが75周年ということで特別な黄色のユニフォーム、日曜のレースは全スタッフが黄色でしたが、赤の方がいいような・・・・
色々黄色
スタッフはまだ赤
ルイスのパーソナル・トレーナー、アンジェラ・カレン、いつもグッド・バイブス
毎回恒例のサーキットの散歩に行くと、チャールズがチームメイトと
昔はここを走っていました、今は危険すぎて禁止
セバスチャン・ベッテル、必ずトラックウォーク中に会います
木曜日は角田君を撮るために初めてアルファタウリチームのガレージに入る経験をしました、思ったより狭かったですが興奮したのは言うまでもありません(笑)
金・土曜 -予選・フリー走行-
ドライバー達のパドック入り
カルロス・サインツとチャールズ・ルクレール、フェラーリの二人は黄色
ルイス
この左の人、いっつもいるから誰なのか聞くと、クロムハーツのデザイナーだかオーナーでした、いつもAlfa Romeoのゲストで来ています、右はレッドブル、セルジオ・ペレスのお父さん
ランド・ノリス
ピエール・ガスリー
セバスチャン・ベッテルは相変わらず自転車
モンツァは直線の多くて長い、最もスピードの出るサーキットということで有名で、そのため「the Temple of Speed、スピードの神殿」と呼ばれています。
フェラーリファンの熱狂ぶりを見るのも楽しみにしてきたサーキットです。
前日木曜日にイギリス女王が亡くなったため、金曜のフリー走行の始まり前には短いスピーチと、一分間の黙祷がありました。
フリー走行・予選
ランド・ノリス
ジョージ・ラッセル
今回は本当に優勝して欲しかった、チャールズ・ルクレール
マックス・フェルスタッペン
ダニエル・リカルド
バルテリ・ボッタス
アルファタウリ・チーム
角田君
チャールズが一位でフェラーリ・ファンは絶叫
トップスリーでどうだったか話してるんでしょうか、マックス2位、カルロス3位
日曜日 -レース-
ところでミラノの唯一我慢出来ないのが、蚊の多さです。
友人宅の前で5分立っていただけで20ヶ所刺され、足がボロボロの状態のグランプリでした・・・。
市内でこれだけ刺されるならサーキットではどうなってしまうのだろう?と思っていたのですが全く刺されず、毎朝送ってくれた友達のフォトグラファーが「最終コーナーの外側に撮影に行ったら蚊に刺されまくって死ぬかと思った」というので僕は迷わずそのコーナーに行くのはやめました(笑)
ウィリアムズのアレックス・アルボンが急性盲腸になり欠場、前日代わりに走った27歳のニック・デ・ブリーズが代わりにレースも走ることになり、まさかのデビュー戦で8位スタート。
F2のチャンピオンになり、Formula-Eのチャンピオンにもなりましたがチャンスに恵まれずメルセデスのリザーブ・ドライバーをしている27歳です。
この写真ではアストン・マーチンを着ていますがこれは金曜日のフリー走行でセバスチャン・ベッテルの車で走り、土曜、日曜をウィリアムズで走るのですが、同じ週で二つのチームのために走り、さらにデビュー戦で10位入賞、Drivers of The Dayも獲得する快挙、レース後は「来年F1で走らせてやれ!」という声が各所で聞こえました。
レース直後、車を止めた後エンジニアとのラジオでのやりとりで「これって、車止めは俺一人なの?」「どうした大丈夫か?」「もう肩が死んじゃって腕も上げられないんだけど・・・誰か助けに来てくれないかな、一人で車降りれないよ」。
というやりとりが運転の過酷さを表していましたし、本人も「まだF1を走る体が出来ていなかった」とレース後のインタビューで話していました、でも近い将来スーパースターになるかもしれません。
他のドライバーとも仲が良く「ニック」と呼ばれています
午前中はドライバーを撮影、午後はドライバーズ・パレードが始まります。
テレビでは流れてないですけど、ドライバーが「おいこのクラシックカー、オイル漏れしてねぇか!?」などと騒いだり、「エンジンかかんねーよ、押せ押せ!」などとチームスタッフが押して車のエンジンをかけたり、パレード中に故障して返ってくる時にドライバーが一人増えていたりなど、結構面白いところもあるんですよね。
ドライバーズ・パレード
ニックも当然レースに出るのでパレードにもいます
ルイス
マックスとダニエル、元レッドブルでチームメイト
セルジオ・ペレス、なぜか自分で車を運転しようとしてました
パレードが終わるとレースです
スタートラインへの準備中のチャールズ
ニック
マックスはガレージで笑顔、リラックスしてます
ルイスとアンジェラ
チャールズ、車を一旦降りて国歌斉唱前の準備
ランドがマックスを驚かせて仲良さそうでした
ピエール・ガスリー
セーフティーカーのドライバー、キメてます
ここで一通りとって、スタート撮るタワーへ
チャールズ、ジョージ、ランドというスタート順。
ルイスやマックス、その他にも9人が車のエンジンなどの部品チェンジのため、ペナルティーでスタート順が降格されたため、面白いレースに皆んな期待していましたが、ジョージがいきなりロックアップ
この皆んながペナルティを受けたせいで、ニック・デ・ブリーズが8位スタート(先頭の青)
マックスが早すぎ、7位スタートで全員抜いて一位、ルイスは19位スタートで5位フィニッシュでした。
このモンザ・サーキット、相変わらず隠し場所のようなトンネルやどうやって行くのかわからないところが多く、僕も予習をしてフィニッシュはコース外にあるフォトグラファー用のタワーから撮影しようと思っていました。
レースの時間を少し犠牲にしてでもそこに行きたかったので、結構早めに行ったつもりでしたが、それでも人を掻き分けるのに時間がかかりもう少し、というところでフランス人のフォトグラファーが前から来たので「どうした?」と聞くとめちゃくちゃイラつきながら「今回はアクセスさせないらしい、入れないぜ」と言い引き返して行くので信じるか迷いましたが、本当であれば全ての時間を逃すので彼について戻る事に。
というのも、年間パスのバッジを持っているよく見かける年配のフォトグラファーだったので、信用した方が良い、と思ったんですよね。
今年最大の失敗で、次回は自分でちゃんと見ることにしようと誓いましたが、イタリアは個人的にちょっと気合入っていたので残念でした・・・
遅れてポーディアムを撮りに行き、マックスが車から降りてガッツポーズするのを撮ろうと思ったら、なぜかガッツポーズなしで普通に車から降りてきました。
「なぜ??」と思っていると、レース最後、事故処理のためセーフティーカーの後を走りながらのダルダルのフィニッシュ、観客もブーイングするほどで、フェラーリは何も出来ずにチャールズが2位。
なんか全体的に締まらない感じの終わりで、レッドブルのチームでのお祝いもフェラーリに気を遣って自粛、ということでした。
2位のフェラーリ、非常に残念
「熱狂」ってこれか、と感じるほど
最後に裏話があるのがこの戦闘機が描くトリコロール
F1でこうやって戦闘機で煙を巻くのは禁止されているのにも関わらず、イタリアの大統領がやったことに対して、環境問題に関わるアストン・マーチンのセバスチャンは「あの大統領、百歳超えてるような年寄りだからもう何言ってもわかんねーんだろ」と怒りのコメント、誰に対しても何でも言っちゃうセブはいつも気持ちが良いですね。
グランプリでの観客の雰囲気はもしかしたらヨーロッパでは一番かもしれないここモンツァ・サーキット、すでに来年の撮影が楽しみです(笑)
色々物議を醸したレースでしたが、最後のヨーロッパラウンドが終わりこの後は友人宅で数日一緒に過ごさせてもらい、今はロンドンに戻って二週間も滞在せずにシンガポールへ出発します。
今年家で過ごした時間、というのがトータル二ヶ月くらいでした・・・。
次回はシンガポール・グランプリについてになります
Jay