ロックダウンで見えた人間の生き方 / ベーシック・インカム/外出禁止で浮き彫りになる家庭内トラブル

東ロンドンのレコード屋、RoughlyTradeの写真

4回目の投稿になります。

 

 

写真はROUGH TRADEというレコード屋さんの店内の風景です。

 

またこうやって音楽好きがレコードを探しに出かけられる日が1日も早く来て欲しいです。

 

 

アーティスト、AITO Kitazakiの写真、車椅子に乗る地球

 

 

この写真は僕の大好きなアーティストかつ友人で、そして今最も世に認知されるべきアーティストの一人、AITO君の作品です。
是非チェックして見てください。

 

http://aito-kitazaki.com

 

AITO KAKIZAKI INSTAGRAM

 

 

最近までドイツを拠点にヨーロッパ各国で壁画制作をしていた彼との10年前のロンドンの公園での出会いや、僕のバンドが去年ツアー中にベルリンでライブをした時に再会した話なども書きたいのですが、後々に取っておきます。

 

 

さて、日本の皆さんの多くは自粛中でしょうか?

 

気にせずに外に出てる方もいると思いますが、自分だけではなく周りも気遣う行動をしましょう。
個人個人が自身の事だけを考えると、まるで安倍総理の国民への対応のように、とても冷たい環境になってしまいますよね。

 

今日ロンドンはここ数日で最高の陽気で、家に居るのはまさに拷問です。
でも、熱帯に住んでいる人たちのことを考えると文句は言えませんね。

 

このAITO君の写真の通り、地球はずっと僕らに傷つけられていて、治療が必要なのは明らかです。
コロナで苦しんでいるのは地球上で人間だけで、他の全ての生物は喜んでいるでしょう。

 

ロンドンの大気汚染の深刻さは有名ですが、今は心なしか空気が美味しい気がします。
庭を持っている人たちがガーデニングに精を出すのも頷けます。

 

 

こちらはガーディアン紙の記事ですが、これから更に空気が綺麗になるそうです。

 

Coronavirus UK lockdown causes big drop in air pollution

 

世界中の工場が運転を停止したのは環境や野生の世界にとっては最高の出来事でした。

こんな記事を読むと、もうしばらくこのままにしとけ、などと思う自分もいる事に気が付きましたが、複雑な気分です。

 

温暖化に対する世界で初めての各国間で作られた国際条約、京都議定書が出来たのが1997年。
それ以来世界が23年間努力(十分だったとは到底考えられませんが)してもずっと悪化を辿っていた地球に対する人災が、コロナウィルスの出現で一瞬で解決することが出来ました。

 

 

今の世界を見ていると、一ヶ月に一日でもこんな日を作るべきだったんじゃないか、という声も聞こえてきますが、これはコロナウィルスが人類に気づかせてくれた一つの事に過ぎません。

 

1. 現実はこれほど多くの人間が通勤せずに家で仕事が出来ること

 

在宅ワークになり、喜んでいる人もたくさん居ますよね、そういう方達はなぜコロナ後にまた会社に行かなければ行けないのか意味がわからないでしょう。

 

ですが、通勤時、ランチ、夕食に仕事後の付き合いなど、一人が「通勤する」というだけで回る経済がまたそこにはあるわけで、これも一概には言えない問題ですが、僕が当事者であれば会社への出勤は自由にして欲しいと願うはずです。

 

 

 

ところで、ロンドンでそんな事は聞いたこともなかったので、日本で在宅ワークの残業代をどうするか話題になっているというニュースには驚きました。

 

それと在宅ワークで文句を言う人の多さにも驚かされましたが、働き方が根本的に違うのでしょうか?

 

 

2. 身体障害者が正常者と同じように出来る仕事が無数にある事

 

会社に行く必要がないという事は五体満足ではなくとも仕事を遂行できるという事です。
これから差別や、テクノロジーの発展もあって身体障害者のディスアドバンテージが更に減っていくでしょう。

 

 

3. どれだけ不必要な物が世界に溢れているか。

 

これはもうロックダウン前に気付いてましたね。
特にビジネスですが、社会が正常化した時に残ったモノには、残った意味があるはずです。

 

まだまだありますがキリが無いので後2つくらいあげる事にします。

 

 

 

4. 「資本主義」の崩壊

 

 

ホームレスがいる時点で崩壊しているようなものですが、生活に余裕がある人間よりも無い人間の方が多いのが現実社会です。

 

最低限以下、貧困層と富裕層の格差が現状のようになっている時点で、本当は行き過ぎた資本主義が崩壊しているのを受け止めてシステムを変えるべきでしたがもう何十年も人間は見ない振りをしてきました。

 

 

これから更に貧困層と富裕層の差が確実に開き、大きな壁が作られるでしょう。

 

希望があるのはベーシック・インカムです。

ベーシック・インカムの考え方は社会主義的です。

 

 

次期アメリカ大統領選民主党候補の一人、バーニー・サンダースが前アメリカ大統領選前から主張していましたが(4年前とは信じられません)、要するに資本主義下のシステムの中で、1%の富裕層が保持し過ぎているモノを残りの99%に少しずつ分け与えよう、というだけです。

 

 

何も、どこかの国のように金持ちの金を全て取ると言っているわけでは無いですし、「民主社会主義」という言葉がポピュラーになってから何年も時は経ちましたが世界が実践する時がもしかしたらもうすぐ来る・・・・・・かもしれません。

 

 

資本主義はもう成り立たないと言われていますが、僕は成り立つと思います。
ただ一つだけ必要な条件が、世界のその1%が優しい心を持っているという事です。

 

 

今世界が選択の時を迎えようとしているこれから1、2年の中で見えてくる変化の中で世の中がポジティブな方向に向かって行くのを期待していますが、どうなるのでしょうか・・・・・。

もちろん世界はダメージを受けますが、これを機に改善出来る、良くなる要素もたくさんあります。

 

 

5. 人と人の触れ合いの大切さ

 

ロックダウン前から、現在に似た様な状況は続いていました。

 

高校の頃、昼食後は体育館の裏にタバコを吸いに行くグループに属していたので、僕はあまり人の言う事を聞くのが得意ではありませんでした(今もかもしれません)。
ですがこの状況では僕も道徳的に家から出て好き勝手遊びに行く気にはなれないです(当然です)。

 

人との触れ合いは、恋しくなります。

 

ヨーロッパではロックダウンの数週間前から握手もキスも、ハグもしなくなりました。

握手の代わりに肘と肘をぶつけ合う挨拶をしていました。

 

僕は友人とは続けていましたが、初対面の時や、あまりよく知らない人とはその様な挨拶はなくなりました。

もしこの様な生活環境が長引けば、挨拶の仕方が変わるかもしれません。

 

 

触れ合わずとも、人と距離を縮める事に抵抗を持ってしまうと、バーやパブはもちろん、ライブハウスやクラブという僕たちミュージシャンの主戦場が失われてしまうかもしれません。

 

僕はライブミュージックという文化はあまり形を変えずに残って欲しいと思います。

 

5Gテクノロジーで、サッカーの試合をフィールドの中から選手の目線で見れるというのは、確かに面白いですけど(僕も絶対一度はやってみるでしょう)、やはりファンには見に行き続けて欲しいじゃないですか。

 

ライブミュージックにもそういうテクノロジーは入ってくると思いますが、大袈裟ではなく生演奏を見に行くという文化が消えてしまった世界なんて僕は絶望します。

それに僕がドラムを叩く隣で見えない誰かが立って見ているなんで想像するとゾッとしてしまいます。

 

 

話は少し逸れましたが、とにかく、人と人の距離がコロナ以前の様に戻ると良いですよね。

 

こちらも同じくガーディアン紙の記事になりますが、コロナ後の世界はもう今まで「普通」だと考えていたものにはならない、という記事です。

 

The coronavirus crisis will pass, but life may never be ‘normal’ again

 

 

最後に、緊急事態宣言の解除の時期と仕方についての『噂』です

 

イギリスでは囁きも聞こえてきませんが、フランスのラジオでは既に緊急事態宣言の解除の噂が流れているそうです。

 

現在フランスは緊急事態宣言から2週間と5日、感染者数が最も多いアルザス地方は4月10日から25日の間にピークがくるとの予想ですが、どうなるのでしょうか。

 

イギリスはフランスの2週間前のような状態なので、同じように考えると(気が重くなりますが)5月の時点ではまだロックダウン中という事になります。

 

こちらでも少しずつフランスの後を追うように報道されているのが、抗体を持っている人間の検査を徹底的にやり、抗体を持っている人間から社会に戻すという方法です。

 

他にもフランスではコロナの感染確率が低い年齢層から戻すとも噂されているようですが、それを見極めるのはなかなか難しいような気がします。

 

 

 

ところで、この外出禁止でさらに距離が縮った、仲良くなった、絆が深まった家庭、カップル、友人関係などはあるでしょう。

「セックス・トイの売り上げがロケットのように上がっている」そうですね、僕はTengaを買う夢を見ました。

 

その反対で、今イギリスで問題になっているのが家庭内暴力です。

 

旦那さんが仕事に行ってくれて助かる奥さん、奥さんから逃げれて嬉しい旦那さん、いますよね。
子供の世話からの逃げ場がなくなった親の幼児虐待も増えています。
ウェールズでは昨日最初の殺人事件がありました。

 

日本でも認知されて来てると思いますが、ヨーロッパはフラットシェアと言い、数人で一軒家や、マンションをシェアすることが一般的なのですが、ロックダウン中は様子が変わって来ます。

 

 

今まで仕事でほとんど顔を合わせなかったはずが、毎日24時間同じ家にいるんです。
これは辛い。

 

もともとウマの合わないフラットメイトなどがいると必要以上に気を使うでしょう。

 

 

耳に入ってくるトラブルを話し出すとキリがありません。

 

僕は仲の良い友人と二人なので全く問題はなく、この状況下では男二人というのは心強くも感じます。

 

 

 

このようにロックダウン中にどこで誰と過ごすのかも重要ですよね。

 

ただでさえストレスの溜まるこの状況で、人間関係まで負担になるのは辛いと思います。

 

可能な限りストレスになりそうな事は排除してロックダウンに臨みましょう。

 

 

 

 

明日は、ロックダウン前から流れていたゴシップや今囁かれてる都市伝説的な話、ロックダウン前の人々の様子、SNSやWHATSAPP(海外版LINEのようなもの)に流れてくるデマなど少し違った角度から書いていきたいと思います。

 

 

お付き合いありがとうございました。

 

 

Jay